ここ数年、広告規制はドンドン厳しくなってきています。
特に、ECのダイエット食品に対して。
一方、これは、仕方がないこと。今まで、さんざん自由に消費者を騙してきていますから・・・。

そういった広告規制に加え、同時に、食品表示基準も厳しくなってきています。
加速試験を行って、ビタミンやミネラルの栄養成分の分析を行っていく必要が出てきています。おそらく、行政は、市場に出回る商品を分析するようなチェックの頻度が高まると予測しています。
栄養成分を強調した場合、初期の開発コストが上がるということですね。

こういった変化に伴い、残念ながら栄養素や有効成分の量を全く表示しない商品も増えています。
一方、こういった商品は、今後、地獄を見る可能性があります。

過去に何度も紹介していますが、消費者庁が強調表記の優良誤認の対象範囲を広げれば、一発で広告表現がほとんどできなくなります。

規制強化のフローとして、以下のような手順で進んでいくと予測しています。さて、どのスピードで進められるかが、恐ろしいところです。

1. 栄養素以外の強調表記に対する規制強化
パッケージで強調表記する成分の含有量表示の必須化。例えば、レスベラトロール、イソフラボン、カテキン、クルクミンといった定量分析ができる成分。

→厳しい都道府県では、すでに実施。消費者庁に問い合わせた際、基本、含有量が表記されるべきだとコメントされました。
ただし、根拠となる分析データまで求められていないのが現状です。分析による根拠データが求められるようになると、それなりに分析コストもかかってきます。
場合によっては、最終商品によっての分析ができず、強調表記できなくなる素材も出てくるかもしれません。

2. 1の更なる強化(成分含有量担保の部分)
栄養成分同様、強調表記するすべての成分に対して、加速試験や分析データが必ず求められる。
成分の減衰を加味して、表示が必要となります。

→機能性表示食品や製薬会社さんクラスの管理レベルです。

3. 健康増進法の優良誤認の対象範囲の強化
パッケージに限らず、ランディングページなどクリエイティブも対象範囲に
予測されるケースとして、1もしくは2の管理基準でパッケージへの強調表記や成分表示がルールとされ、パッケージに成分表示されている成分だけがクリエイティブ表現できるというもの。

数のクリエイティブやイメージ配合の成分・素材の強調表記ができなくなります。ランディングページ(LP)も長く作れないでしょう。
まぁ、ゴミ商品は淘汰されます。
可哀そうだけど、LPのニーズも減るので、一部の制作会社さんも潰れてしまうだろう。

4. 広告表現における、さらなる優良誤認規制の強化
グレーゾーンの表現がなくなります。機能性を暗示させることも完全にできなくなるような規制強化
→いわゆる健康食品では、広告表現がほとんどできなくなる状態。

ぶっちゃけ、個人的意見としては、1は早く進めるべきで、3までは仕方ないと思います。3まで進められると、健康食品業界はかなりクリーンになります。
でも、4は、しんどいなぁと思います。

早ければ5年以内に、3の段階になるだろうと予測しています。
4までは、わかりません。4まで行っちゃうと、必然的に、大手さんの市場となり、中小企業が参入できる市場でなくなります。
当然ながら、インフォマーシャルなども、機能性表示食品以上の健康食品でないと考査が通らなくなるでしょう。

そうなると、老齢化によって年々縮小するクローズドの販売会社さんが元気になるかも・・・。
クローズドかつインターネットの技術を用いた新たな販売モデルが生まれてくる可能性も高いです。
そうなってくると、本末転倒のような感じもします。
実際、現状、ECより一部の紙媒体の方が考査が甘くなっています。ECは、簡単に調査することができるので、規制もされやすいんでしょうね。

いずれにしても、こういった規制強化を見越して商品開発を行っていくことが重要です!

厳しいことを言いますが、顧客が生き残っていくためには、重要なことだと考えております。
今のところ、私の場合、1までは顧客に強制しています。次の段階として、会社のルールにしたいところです。
近い将来、2の段階まで進める必要があるとも考えています。先手を打っていくことも重要です。

まぁ、顧客の抵抗もあると思いますが、そこは、クリエイティブ表現で活用していただくことで、コストを回収してもらうように提案するしかないと思います。
すべて支持される健康食品業界のためです。
頑張ります!

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。