タイトルは、弊社のOEM事業で最も重要なミッションです。毎年、同じようなタイトルで記事を書いているのですが、状況が毎年変化するため、変化に応じた内容になっていってしまいます。
昨年までは、成熟しつつある市場を紹介しながら、商品の差別化戦略を明確にし、素材ライフサイクルに応じた適正原価率で販売していくことを提唱して参りました。

しかし、昨年あたりから、それだけでは勝ち残っていけないような市場変化が生じ始めした。

私は、適正原価率の設定面では、素材ライフサイクルによっては、高原価・低価格で価格勝負の道を示しています。一部のコンサルさんや広告代理店さんなどからは、良く思われていないでしょう。だからといって、私自身は、単に安く商品を売ればよいとは全く考えていないです。
健康食品業界においても、勝ち残っていくためには、付加価値を付けてできるだけ高い価格(高利益)で展開していくことが好ましいと考えています。

中小企業の場合、創造性が豊かでコスト争いをしない商品で展開していくことが勝負のカギです。そういった商品は、原価率もやや低めの設定になってくると思います。

適正原価率というのは、ケースバイケース。

サントリーさんのセサミンのように、原料レベルから商品を作り、原料の機能性関与成分の研究を地道に行っているケースは別格。こういったケースでは、反対に、低原価の商品でなければならないです。一方、別の見方をした場合、見かけは低原価であったとしても、研究開発費を乗せると、とても低原価とは言えないでしょう。
多くの会社さんは、そこが見えていないことが多いです。
まぁ、一般流通している原料だけを用いて、自作PCのようにオリジナル商品を作るのとはレベルが違います。

私の持論、コピー商品を作られやすい商品ほど、高い原価でしか売れない。
機能性表示食品についても同様であり、原料メーカーが提供するSRで商品を作れば、簡単に同じような商品が作れてしまいます。結果、コスト勝負になってしまいます。
コスト勝負になると、大手企業さんが強いです。
もっと言うと、機能性表示用の原料を持った大手企業が一番強い。

だから、コスト勝負にならないよう、大手企業さんが手を出さないような商品で勝負していく必要があったのです。一方、近年では、大手さんも、今まで手を出さなかったニッチ商品まで手を出し始めています。
どんどん隙間がなくなりつつあります。

私の持論、最大の一手は、一定期間でも展開が独占できる原料を準備することです。
※展開と表現したには深い理由があります。
どこまで行っても勝ち残る商品開発の根本原料戦略です。

なので、コピーされない勝っていける商品を作ろうと思うと、先行投資のコストがかかります。
だから、この健康食品市場も、参入障壁が高くなりつつあるのです。
それは、間違えないです。

過去にも紹介したかもしれませんが、こういった原料を作るには、主に2つの方法があります。

日本に流通していない原料を特注輸入する
一から原料を製造する


前者は、原料によりますが、数百万円からトライが可能です。実際に、私は、過去、いくつもの原料で実績があります。稀にキャリアや固結防止剤を変更する必要があり、ハードルが高くなるケースもあります。
DHCさんを除き、大手企業さんが行いにくい戦略だったりします。

後者は、どのレベルの原料を作るかにもよりますし、開発進行中のものを上手く利用できるケースもあるのですが、機能性までしっかり求めていくと、ヒト臨床試験も行っていく必要があるので、数千万円の開発コストがかかるケースもあります。
まぁ、乾燥された海藻や生の農産物を調達し、粉末化して独自原料を作られる顧客のケースもあり、ケースバイケースでコストが生じます。最小ロットは100kg以上ですし、300kgくらいの原料を作らないと歩留まりが悪くなるので、それなりにコストはかかります。

いずれにしても、リスクが高いほど真似されにくく、ハイリスクハイリターン。

こういった市場の変化によって、ゴミ商品を売る儲かり主義の会社や生半可な気持ちで事業参入される会社も減ってくるでしょう。特にECで。
アフィリエイトがダメになってきたここ数ヶ月は、ニュースアプリで健康食品の荒い広告を見かけます。でも、それも時間の問題であり、今年中には排除されると予測しています。

そんな中でも、我々は、時代時代に合った勝ち残る商品を作り続けなければなりません。
とにかく、コツコツがんばります!

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。