今の健康食品業界は、日本に限らず世界中で、中国原料なしでは成り立たない現状があります。
ビタミンCやクエン酸なんて、ほぼ中国原料です。
一方で、近年は、中国向けの商品供給が非常に伸びており、企業の成長において無視できない存在となっています。売れる商材の条件としては、以下のようなものがあります。

<効果区分>
動脈硬化性疾患対策
アンチエイジング
美白

<クリエイティブ要素>
日本オリジナル素材
中国製以外の原料がメイン原料
特許原料
大学や有名研究者の権威

そして、中国は、日本からたくさんの商品を購入しつつ、一方で精巧なコピー品を作る動きがあります。
健康食品の場合、原料レベルからコピーが始まります。

例えば、日本では、台湾メーカーのナットウキナーゼ原料しか参入していないですが、アメリカ市場へは、数社の中国ナットウキナーゼ原料メーカーが進出し始めている現実があります。
ラスベガスの展示会に行って、一番びっくりしたこと。

まぁ、中国市場は、自国の商品を信じない特性もあるため、まだまだ日本商品が優位です。
一方、中国原料を用いた日本製造商品に切り替わっていくもの時間の問題だと思います。水面下で着実に行われていくでしょう。

中国とのビジネスの鉄則、常にコピー品を作られることを意識し、どんなことがあっても最重要ポイントのノウハウは開示してはいけない!
特に原料は、要注意!

当然ながら、商品の細かい処方は極力明かしてはいけない。通関のために処方を明かしても、真似できない工夫が必要だったりもします。
原料で真似できないようにするのが理想であり、日本でしか作れない原料を使用するのがベストです。
また、日本のナットウキナーゼのように協会を作って、認定マーク制度を作っていくのも賢い展開方法です。

ちなみに、アスタキサンチン原料は、やられてしまった事例の1つです。産業スパイが入ってノウハウを盗まれたようです。
特に管理が甘い中小企業は、雇用の面や情報管理も注意が必要です。中国において、産業スパイを送り込むことは、常套手段として、当たり前のように行ってきます。
添加物系の原料は、価格面で負け、全く対抗できなくなります。

さらに、中国の怖いところ、国益に繋がることであれば、国策として行ってくる点です。
現実問題、陰で様々な事件も起こっています。

今は中国向け案件で儲かっている会社も多いでしょう。一方、そういった国であることは決して忘れないでビジネスを進めなければなりません。

さて、どう攻略していくべきか?

日本の伝統文化や最先端技術を利用した商品
中国製だと評価されない商品
日本の大学や有名学者によって研究された商品

  ↓ すなわち
安いコピー原料を作られても問題ない商品

ナットウキナーゼの事例から考えると、上記の条件を意識すべきです。
真似できない日本技術によって成り立つ商品であることが理想なのですが、まぁ、どうしても、いずれコピー原料は出てくるでしょう。

中国案件は、対策は講じつつ、どんどんチャレンジすべきです。
弊社も、上記の点を意識しながら、中国市場向けの原料ラインアップを増やしています。
中国市場向け商品も、原料クリエイティブを意識し、売れる要素が詰まった商品にすべきです。
やっぱり、原料戦略が重要!
ノウハウも蓄積しつつあります。
ちょっと、日本の感覚と異なります。
これからも、中国案件に関しても、勝ち残るような商品開発を行っていければと思います。
ファイト!!

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。