恒例の原料受託バンクの原料受託バンクのランキング解説です。

1位 コラーゲン
2位 乳酸菌
3位 プラセンタ
4位 ヒアルロン酸
5位 酵素
6位 高麗人参
7位 カテキン
8位 DHA ( ドコサヘキサエン酸 )
9位 フコイダン
10位 ビタミンE


>>先々月のランキング
※これ↑は、意外に使えて、毎月のトップ10を遡りながらチェックできるんです。

今回は、10位以内における多少の変化と言えば、コラーゲンと乳酸菌が入れ替わったくらいでしょうか。
コラーゲンは、原料メーカーが多いや乾燥の季節などと、上がる要因がたくさんあるのですが、市場動向と照らし合わせると、登録されている原料メーカーが多い点が要因として最も強く効いているような感じがします。
まぁ、その他にも、10位以内の原料は、受動的にクリックされやすいという要因もありますが・・・。

コラーゲンのカテゴリー内では、いくつかの要因で表示順位が変動します。当然、各担当者さんは、定期的にチェックしますよね? 中には、会社で複数人の方が定期的に見ているケースもあると思います。
これも、コラーゲン等、登録原料メーカー数が多い原料が市場動向とは関係なく上位ランキングされやすい理由だと思います。

さてさて、今回、興味深かったのは、13位 HMB ( β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸 、HMB-Ca ) です。
安い原料が供給されていないからでしょうね。
安い原料で製造し、そのコストをベースに販売設計を組み立てた会社さんは、とても大変でしょう。今回のランキング変動を見ても、困っている会社は、結構な数がありそうです。

こういったことは、中国原料ではよくあることです。
最悪、いくつかの製造工場が閉鎖され、意図的に原料価格の高騰を中国政府が演出するかもしれません。
実際、えんどう豆プロテインや玄米プロテインなどの市場で、製造会社が2社閉鎖され、原料価格の高騰が始まっているようです。
さて、HMBは、どうなるでしょうか? いつになったら供給が安定するのでしょうか?

それ以外は、特に11位以降、毎度のことながら、機能性表示食品と中国市場向け商品の色を強く出したランキングでした。
しばらく、この傾向に変化はなさそうです。

 機能性表示関係 
プロテオグリカン、セラミド、葛の花、イソフラボン、ルテイン、サラシア、イチョウ、ギャバ、ベニクスノキタケ など

中国をはじめとした海外向け
エラスチン(コラーゲンからシフト??)、プロテオグリカン、レスベラトロール(赤ワイン) など

ここ最近、弊社でも問い合わせが多いのは、葉酸山芋です。妊活ニーズで盛り上がりを見せています。
一方、ランキングに反映されないのは、非常に不思議です。(反対にビタミンEが常に上位なのは、理由が全くわからない。)
バイエルさんがエレビットのテレビCMを開始されたのは、弊社だけでなく、市場で妊活のニーズが伸びているからでしょう。



おそらく、このCMの影響として、市場全体が活性化する可能性が高いです。市場競争の激化が予測されます。
ブランド力(信用度)ではバイエルさんに敵わないので、商品の別の切り口で差別化を行っていく必要があるんだろうなぁと感じています。

最後に。
先日、原料発注が可能なポータルサイトの存在について、「原料受託バンクで、一定の手数料を払えば、ネット上で原料発注ができてしまうようなサイト」と、さらりと紹介しました。
その内、紹介させていただきますが、正直、このサイトは、中国系の会社が中国企業を中心とした原料販売サポートのために存在してるようなものです。価格だけの世界。
原料受託バンクも、一歩間違えば、価格競争を支援するだけのサイトになりかねません。それを防ぐためにも、価格が表示されないようになっています。
弊社もそうですが、多くの原料メーカーは、生き残っていくため、価格以外の部分でも評価されるような施策を講じていく必要があるのでしょう。
みなさん、頑張っていきましょう!

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。