以前から訴えている優良誤認広告の問題、視点を変えて、コメントです。
ぶっちゃけ、この優良誤認に対する認識は、行政・メディアの中でも随分と温度差(規制レベルの差)があります。規制基準も統一化されていない。そもそも、それが一番の問題のように思えます。

まず、行政やメディアに求めたい優良誤認回避策、それは、以下の2点です。そして、各行政によって、以下の様に温度差があったりもします。

1. パッケージの栄養成分以外の強調成分に対する含有量表記の徹底

これは、主に行政に対して。
そして、これは、行政の中でも、かなり温度差があることは、富山県以外の保健所の方には認識していただきたいと思います。
過去、この見解を消費者庁に求めた際、担当官からは、強調表記していて、含有量を記載していないのであれば、優良誤認に該当する可能性が高いと指導を受けました。ちなみに、これは、消費者庁の担当官の中でも、コメントに差があるかもしれないです。
富山県では、確実に優良誤認だという見解を示し、徹底した指導を行っています。

まぁ、指導基準が明確化されている、栄養成分(ビタミンやミネラルなど)に対しては、徹底した指導が行われています。こちらは、健康増進法の優良誤認になるらしいです。一方、指導基準が明確にされていない、栄養成分以外の強調成分に関しては、フリーだったりする行政(保健所)も多いです。

よくよく考えてください。
美容成分プラセンタ配合と書かれており、配合量が0.001%であったなら、消費者は騙されたと思わないでしょうか?
この極微量配合のように、強調表示・広告されている成分がほとんど配合されていないというケースは、多々あります。例えば、山芋の粉を配合して、含まれていないジオスゲニンを強調表記して売れている商品も存在します。
これにお金を出したほぼすべての消費者は、詐欺だと怒るでしょう。
現実問題、95%以上が糖類と賦形剤の商品が流通しています。購入される方は、かわいそうだなぁと常に思っています。
実際、そういったゴミ商品が多く存在してしまっている根底は、行政の徹底の甘さにも原因があると思います。
いつも、非常に残念に思っています。

次回の法改正や業者向け資料には、この栄養成分以外の強調成分の指導基準も明確にしていただき、指導を徹底していただければと強く望みます。
本格的に取り組みだすと、減衰を加味した基準(下限値保証)になるでしょうから、我々も大変になるでしょうけどね・・・。

まぁ、消費者庁さんも、以下の様に、景品表示法に加えて食品表示に対しても情報提供フォームを作成されているので、努力されているんでしょうね。
食品表示法違反被疑情報提供フォーム
景品表示法違反被疑情報提供フォーム
みんなで情報提供し、業界全体で表示の適正化を進めていくことが望ましいと思います。

2. 含有量が表記されていない広告表現に対する根拠提示の徹底

次は、メディアに対してです。
比較的、インフォマーシャルのような電波媒体は、考査が厳しくなってきており、含有量の根拠などを求めることが多くなってきています。
新聞などの紙媒体は、薬機法には厳しくても、優良誤認には甘い傾向があります。特に、雑誌媒体などは、こういった問題があることすら、認識していないでしょう。まぁ、記事広告なんて、解決のしようのないグレーゾーンですからね。

最後に、一番酷かったインターネット媒体は、Yahooなどのリスティング広告を筆頭として徐々に広告表現のチェックが徹底され始めています。一方、まだまだ酷い広告が見られます。
また、コンテンツ型マーケティングが横行しており、嘘も本当に変えてしまうような脱法マーケティングが行われ続けている現状もあります。WELQの問題は、氷山の一角です。
インターネットという媒体は、どんなに頑張っても、取り締まり切れない問題点が存在します。まぁ、基本、アフィリエイト広告あたりからステルスマーケティングの取り締まりを徹底できれば、多少良くなると思うんですがねぇ・・・。なかなか難しいものです。

表示と広告からのこの1点(栄養成分以外の強調表記)だけでも徹底していただければ、健康食品業界は良くなると考えます。

業界が少しでも良くなることを望んで、私の訴えとして、情報を発信し続けたいと思います!

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。