ここ数年、健康食品事業に新規参入する方々の質が変化しました。

ちょうど、8~12年前(リーマンショックまで)は、大手の食品会社さんや製薬会社さんの参入が多かった時代。撤退された会社さんも少なくないです。同時に、化粧品会社さんが事業の拡大で、健康食品にも手を出し始めた時期でもあります。
そして、震災後、6年前くらいからネットの広告代理店さんや制作会社さんが活発に参入し始めました。一部の広告代理店さんは、今、販売会社へと事業転換されています。また、意外に、エステさんやクリニックさんの参入が活発になった時期でもあります。
2~3年前は、記憶に新しいと思いますが、インバウンドを始めとした中国案件を手掛ける中国系の会社さんがアホみたいに商品を作っていました。
ここ数年は、アフィリエイター会社さんや広告代理店系販売会社からの独立組の方々が多いです。

まぁ、こんな表現しては失礼なのかもしれませんが、
顧客の質が落ちてきてるのがわかります。
市場が成熟度が増してきているから、このような顧客の変化が起こっているんだと思います。

正直、その質の変化に伴い、顧客のモラルの低下も目立つようになってきました。加えて、関係性も求めてこないです。

問い合せは、コピペばかりだったり、状況を把握していない若者に連絡させたり、提案しても何のレスもなかったり、電話で名乗らない(社名を求めるとガチャ切り)、企画泥棒しようとされたりなど、失礼なケースも多いです。

この業界の特徴として、関係性が構築されないと、本当に良い提案はなされないのになぁと思っています。

こういった変化が弊社が集客でセグメント性を重要視するようになった理由でもあります。
社員に無駄な仕事をさせたくないという想いから、ルールを決め、ドライに対応しています。
その成果もあり、ゴミ商品の問い合せは、減りました。
結果、会社の効率性は低くならず、良い顧客だけが集客できています。

ここ数年の参入顧客において、広告規制強化の波を乗り越えることができるのは、ほんの一部の会社さんだけであり、全体の1割にも満たないと考えています。

かつ、独自性のある原料レベルからの商品開発が求められ、多少のリスクも負っていく必要があると考えています。
時には、数千万円かけてヒト臨床試験を実施していく覚悟も必要だと思います。例えば、電波媒体で勝負していこうと考えているなら。

ぶっちゃけ、この健康食品業界は、コピー商品の作り合いです。頑張って市場を創造しても、後発組に市場を食われていきます。
そうされない商品戦略が今後最大のテーマだと考えています。

正直、参入障壁も上がっているのは間違えないです。

そういった理由もあり、海外の展示会にも新原料を探しに行っていたりします。
弊社が責任を持って国内流通させようとする原料以外にも、場合によっては、顧客の留め型として仕入れる可能性のある原料もラインナップできるようにしています。
まぁ、なかなか面白い原料も無くなってきていますけどね・・・。

私も、日々、こんな努力の繰り返しを続けている訳です。
努力の積み重ねが大事だと思います。
まぁ、最近の顧客に一番欠けている部分かなぁ・・・。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。