今回は、ちょっと視点が異なる話です。世の中には様々な代理店業というものがあります。

・広告代理店
・販売代理店
・保険代理店
・旅行代理店

インターネットの普及(IT化)により、こういった代理店業にも大きな影響が出始めています。

広告も、インターネット広告が増え、メディアが広告を直接売るケースが増えたので、今までの広告代理店がインターネット広告で収益を上げにくくなった事例もあります。広告代理店の既得権益を奪われた事例です。
そのため、ある某大手広告代理店さんは、メディアの広告枠ごと買い取って、独占的に広告枠を得たという事例もあります。既得権益を無理やり作った訳です。
そのメディアは、その後、いくつものIT会社が似たようなメディアをたくさん作って販売されたり、スマホのアプリの波に飲まれてダメになっちゃいました・・・。
結局、IT会社の既得権益の方が強かったのです。

まぁ、1つの波として、リーマンショックの時、1つのプチバブルが弾けたので、その際、既得権益を持たない会社さんを中心にいくつもの中小広告代理店(2次・3次代理店)が倒産しました。
今後、じわじわと、見えにくい変化として、一部の代理店業がドンドン淘汰されていくでしょう。広告代理店に限らず、保険も、ネット保険が力を持ち始めています。

広告や保険に限らず、代理店業とは、既得権益がなく、利用する側にしか選択権がない場合、非常に低い立場となってしまいます。
既得権益のない代理店業は、代行サービスと変わらなくなり、安く利用されて終わりになります。最悪、提案だけさせられ、ただで使われて終わり。
IT化進んだおかげで、もう、ビジネスモデルとして限界なのかもしれないです。

今や、電波媒体よりインターネット媒体の方が強くなりつつあります。
実際、今まで叩かれることが無かった強い代理店(電波系)が、力を失ったことにより叩かれるようになってブラック企業扱いされるようになった・・・そんな事例もあるくらいですから・・・。

私も、事業の中で大事にしていることは選んでもららえるために、如何に既得権益的なものを作るかです。
特許・商標だったり、販売権だったり、独自データ(ヒト臨床試験データや優位性データなど)だったり、いろいろなケースがあります。
弊社が最も大事にしている部分です。
こういった戦略で、会社を社員を顧客を守っていきたい!と考えています。

私は、成熟した市場で勝ち残っていくため、リスクは多少負っても既得権益が含まれるような商品を提案したりします。まぁ、100~200万円くらいの原料在庫リスクだったりするのですが、10社に1社もリスクを負ってまで商品を作る会社さんがいないのが現状です。残念ながら、そんなもんなんでしょう・・・。
既得権益を作るって、簡単なようで、とても難しいことなんだと思います。

健康食品業界のいろいろなところで、IT化の波は来ています。
ぶっちゃけ、IT化によって、代理店形態ではなく個人の販売代理のビジネスであるネットワークビジネスでも影響が出始めています。
まず、コミュニケーションが苦手になった若者は、ディストリビューターになるではなく、アフィリエイターになるようになりました。若者が集まらないのです。お陰で、現在のディストリビューターの平均年齢は、50代後半は当たり前、60歳を超える組織まで現れ始めています。組織の高齢化が問題に。

また、コンサル事業も、IT化によって、難しくなりつつあるのかな?とも感じています。
コンサル業も、代理店業と密接な関係にあります。コンサルとしてのポジショニングを失敗すると、事業運営を代行させられ、結果、自分だけが忙しく動き回ることになります。このケースは、代理店業やシステムのキックバック(仲介手数料)の収益がわかっている場合に多く見受けられるケースであったりもします。コンサル業の体で、広告代理店業を行うケースです。
失敗するコンサルさんの特徴でもあります。コンサルの立場が維持できていない。
コンサル業も、サービス業と同じく価格破壊。

最近は、言わなくてもキックバックをもらっているんだろうとコンサルさんは思われているでしょう。まぁ、後々、キックバックが大きく乗っていたのがバレて、すべて切られて終わりというケースもよく見かけます。

ぶっちゃけ、ノウハウだけ抜いて、安くコンサルを使おうとする会社はたくさん存在します。最近、かなり増えたかなぁ・・・。そういった会社さんに限って、社員も使い捨てにされている。屍の上に会社が成り立っている。

そういうのが面倒くさいので、私も、本業ありきでしかコンサルをしなくなり、コンサル料でなく物の流通で成果報酬を得るコンサルになりました。
その方が、仕事や顧客を選べますし、言いたいことが言えます。

最後に・・・
世の中は、情報化することで、一部の既得権益も失われました。作っても、すぐに陳腐化します。
その流れは、凄まじく速くなってきています。
代理店業に限らず、OEM事業も、代理店業に近い部分があります。弊社のように関連会社にGMP工場があるのは良い方で、ファブレスの企画屋さんは、もろ販売者の代わりに製造を手配する代理店業。我々も、陳腐化しにくいような既得権益を有した商品作りを行っていかなければならないのでしょう。
そのために日々努力するだけです。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。