近年、ランディングページなどのクリエイティブについて、消費者庁から警告メールなどの連絡が来て、調査が行われ、措置命令などが下されるケースも増えています。
震え上がってる会社さんは、非常に増えているようです。

今年の規制の傾向を見ていると、暗に効果をほのめかす薬機法関連の指導や景品表示法・健康増進法絡みの指導など、様々なケースがあるようです。

薬機法関連の指導は、おそらく、どんなに根拠があっても、機能性表示食品にすることを解決方法として提示されて、終わりにされるだけだと思います。
警告されるようなクリエイティブを作らないに限ります。

景品表示法・健康増進などの指導に対しては、根拠となる情報を集めて、しっかり対応できる状況を作っておくことが大事です。
例えば、「生」「無農薬」「国産」の表現などです。
一方、その根拠のレベルの感覚が、行政と指導される側でズレているケースがあります。実際、紙系や電波系媒体を取り扱っておられる方は、媒体の考査で理解されているケースもあるのですが、ズレていてトラブルケースが多いのは、ECの会社さんに多いようです。
根拠となる資料には、根拠レベル;信用度によってランク付けされるのですが、その点を理解されていないために問題が起こります。

●根拠として十分な資料
学術論文・公的機関から発行された資料・分析データ(公的機関で実施されたもの)

○場合によっては根拠となる資料
原料メーカーからの書類・分析データ(公的機関以外で実施されたもの、民間機関や原料メーカーでの分析など)・専門家のコメント

✖根拠として不十分な資料
引用などがないインターネット上の情報・引用文献のない書籍の文面

書籍の内容に関しては、きちんと引用文献があったり、根拠に基づいているものであれば大丈夫なのですが、根拠がなく単なる著者のコメントだったりすると、根拠資料としては不十分となります。
書籍の内容を根拠資料として提出し、NGを食らうことが一番多いようです。書籍は、根拠がなくても、根拠レベルが低くても、誰でも好きなことが言えますからね・・・。

理化学系の学術論文を書いているような人からすると、当たり前のようなことだと思われるかもしれませんが、こういった情報の信用度がジャッチすることができない方も多いのは現状です。
実際問題、私のような理化学系の人間がクリエイティブ作成に関わるケースは稀であり、クリエイティブを制作されるのは、多くが文系・デザイン系の方々です。こういったご時世になったので、機能性表示食品制度も導入されたことですし、クリエイティブ作成・開発には、理化学系の方々のチカラも必要になってきているのだと思います。
私は、普通にやっているので、既存顧客から指示される理由がここにあるのですが、求められるものは、意外にハードルが高いです。将来、英文の学術論文読んで、根拠論文として提出できる体制まで求められる時代が来るかもしれません。
製薬会社さん同様、健康食品会社でも、学術部が必要になって来るのかも・・・。

まさに、主流はエビデンス(根拠)型マーケティングというものになっていくと思います。

最後に、消費者庁から警告メールが届いた時の対応について。
裁判に持ち込んでも徹底的に争うという意見もあるようですが、私の意見は、できるだけ争わないで丁寧に対応するべきというものです。日本の行政は、なんだかんだで強いですし、裁判に持ち込んでも儲かるのは弁護士だけです。行政は税金を使って裁判を行うだけなので全く痛くないですが、企業はかなりの費用損失を被るでしょう。日本の裁判は、どんな結果になろうと弁護士費用がかかるので、時間と費用の無駄。

過去の最も怖いケース、国税とセットでやって来て、会社を潰しに来た例もありました。実際、何社も倒産に追い込まれているのではないでしょうか?こんな裏技も持っているのが行政だったりもします。
なので、絶対に争ってはいけないのです。

是非、この記事を参考にしていただき、エビデンス(根拠)のマーケティングを試行錯誤して実践していっていただければと思います。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。