サプリメントの正体として、間違った解釈でアミノ酸が紹介されている書籍があります。まぁ、実際、人毛からアミノ酸が作られている現実はありますが・・・今は食用には用いられていない。
この点について、過去に100トン以上のアミノ酸原料を輸入した経験があり、今でもアミノ酸を取り扱う人間として、もう少し詳しく説明したいと思います。

まず、人毛から作ることができるアミノ酸は、主に以下のものに限定されます。すべてのアミノ酸に当てはまりません。

・アルギニン→シトルリン、オルニチン
・システイン/シスチン
・ロイシン


人毛から作られるシステインなどは、主にパーマ液の材料として利用されています。現在、人間が摂取する加水分解法で製造される食用アミノ酸の起源は羽毛です。
中国でも、人毛(髪の毛)由来のアミノ酸は食用に利用できないような法律があるみたいです。
そうはいっても、結局、アミノ酸はアミノ酸なので、安全性と由来はあまり関係ないんですけどね・・・。日本のアミノ酸の輸入基準は厳しいので、それに合致していれば、問題ありません。

それを言い出すと、発酵法のアミノ酸も本当に安全なの?と思ってしまいます。
この発酵法のアミノ酸は、遺伝子組み換えされた微生物(大腸菌など)から抽出されます。
きちんと、たしか内閣府当たりの書類を見るとわかるのですが、遺伝子組み換えの微生物の登録もされています。
もちろん、遺伝子組み換えの微生物がアミノ酸に混じることがないように製造されているので、遺伝子組み換えの表示も不要ですし、アミノ酸はアミノ酸です。純品のアミノ酸です。
タイトルでは、人毛から作られるアミノ酸の方が安全?と書きましたが、発酵法の方も安全ですよ!

繰り返しますが、アミノ酸はアミノ酸なので、加水分解法のアミノ酸が優れているとか、発酵法のアミノ酸が優れているとかはないのです。
基本、志向の問題。
発酵法が優れているとアピールされるのは、マーケティング上のこと。まぁ、どの世界もお金が絡みますからね(笑)。

現実問題、医薬品でも、発酵法で作られたアミノ酸だけでなく、加水分解法で作られたアミノ酸も利用されています。

アミノ酸会社の見方をする訳ではないですが、事実は事実。事実と反することを書籍などで述べると、営業妨害で訴えられる可能性もあります。

まぁ、そんなことなので、アミノ酸に関しては、どの製法でも安心して使用していただければと思います。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。