我々は、味がある商品を作る上で、必ず試作を行い、味を決めていきます。
そして、たまに、何度も何度も、微調整されるお客様がいらっしゃいます。でも、実は、タイトルの通り、試作での味微調整は無意味なんです。
試作は、大まかな味を決めるには有効なのですが、細かい微調整はできているようでできていないのです。
その理由は、以下のような理由です。

・試作品と実機製造品では、製造条件が異なるので、味のブレが出る。
・人口甘味料は甘みが減衰する。
・香料も香りが減衰する。
・ビタミンCの酸味も減衰する。

※特にゼリー製品。

お金がかかりますが、本当に微調整したければ、実機製造して調整する必要があります。
それでも、甘み・香り・酸味は、必ず減衰します。なので、試作時ではやや甘めに調整することもあります。甘みと酸味のバランスは、両者が拮抗し合うので、どちらかの減衰スピードが速いと、バランスが崩れるのも速いです。

賞味期限が1年切れたダイエットコカコーラを飲んだら、甘みがすべてなくなっていて、吹き出したという経験もあります。それくらい、合成甘味料は減衰します。

ゼリーなんて、成分が経時変化と共に反応するので、味に深みが出たりする場合があたたりしりします。アミノ酸が熟成されているのか?と思うこともあります。
さらに、低カロリー系のドリンクなんて、数年後には、味が全く別物になっていることも少なくありません。

実際、我々は、経験則(過去の商品設計)や感覚的なもので味の調整を行うことが多いです。

また、基本、味というものは、好みですから、個人の好みではなく万人受けする味にしていく必要があります。そこは、個人の意見より、経験則で味を決めた方が有効だったりもします。

ちなみに、某受託メーカーさんが、ゼリーの営業を縮小されました。理由は、ゼリー商品は、美味しくて最初は良いのだが、飽きられやすくリピートしにくいという欠点もあるからだそうです。
その割に、味決めに時間もかかるし、安定性の担保もうるさいので、営業経費を考えると採算が合わないんでしょうね・・・。

味の調整とは上記の通りなんですが、多くの方が味の経時変化の事実を無視されて味の微調整に変にこだわられるので、営業上、どうしても無駄が増えます。
かつ、リピートしにくいという事実が浮き彫りになって来ると、味のある商品から撤退されるのも理解できます。
だから、私も、基本、チュアブル錠やゼリー・ドリンクは提案しないです。美味しいサプリは理想なのですが、確率論でリピートしにくいのは、肌で感じていますからね・・・。

まぁ、それでも、弊社では、味のある商品も供給させていただいております。HGH系の粉末ドリンクなどは、最たる例です。
お気軽にお問い合わせください。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。