先日、各会社規模や販路別に勝ち残る商品開発に述べましたが、中小企業の健康食品事業の場合、勝ち残る条件は、かなり限定してきているように思えます。誰もが成功できる市場ではなくなってきています。
そこは、私の場合、甘いことは言いません。

私が考える残された市場例:
・EC(インターネット販売)
・薬局やクリニックでの販売
・既存事業の顧客リストを活用した販売
・全く新しい事業モデルの販売

我々も、中小企業型OEM事業を行っている会社ですので、顧客が大小限らず成功して、共存していくことがミッションですから、この点は、深刻に考えつつ対策を講じようとしております。

何れにしても、オープンな市場、今後、明らかに規制強化へと進んでいくでしょう。そのための罰則規定や法整備が着実に進んでいます。今は、残された市場でもあるEC市場も、一変する可能性すらあります。
まぁ、そうしないと、行政としては、今後、機能性表示制度を押していけないですからね。
それが、3年目標なのか5年目標なのかわかりませんが、行政は、中小企業配慮と言いつつ、大手さんが有利な市場へと変えていくでしょう。
ポイントは、グレーゾーンをどこまで残してもらえるかだと思います。

当然ながら、こういう流れで市場が変化していくと、モノ作りについてきちんと信念を語りつつモノ作りに真摯に向き合い、良い商品を供給できている会社が勝っていけると考えています。
まぁ、当たり前のことなんですけどね。

かつ、それでも市場競争は激化しているため、常に努力し続け、新たな商品開発や商品リニューアルの継続で、顧客を満足させ続けれることが求められていくでしょう。

基本、今までの健康食品市場は、売れている商品を模倣して販売していけば、上手く行くという市場でしたが、ここ最近は、そのサイクルが早くなり過ぎて、そのモデルも成り立たなくなってきています。模倣品により、良かった新規顧客獲得がすぐに落ちてしまいますから。
同時に、近年は、市場を創造しないと大きな利益にはつながりにくい現状もあります。そして、理想論ですが、その成功を少しでも長く維持するためには、リスクを負ってでも他社が真似できない商品開発を可能にしていく必要があります。

厳しいようですが、これが実践できることが成功のための1条件だと思います。

その他にも、生き残る商品の適性原価率が高くなってる点や何らかの体感を求められる傾向が強くなってる点は、認識が必要です。

そして、顧客は、顧客なりに考えます。
でも、それが必ずしも正解ではなく、見てきた様々な事例を参考に正解に近づけようとする設計調整がOEM会社の重要なミッションの1つです。
OEM会社の営業マンの資質とは、ここにあると考えます。

例えば、よく間違われがちなのが、売れている商品をただ真似すれば売れるという認識。OEM会社の営業マンが真似した商品との差別化や優位性を明確になるようにする必要があります。

最後に、OEM会社さんの方は共感していただけると思いますが、近年、一斉相見積もりで提案だけを盗んでいく行儀の悪い会社さんが増えている状況があります。特に、EC系の会社さんに多いです。実際、弊社の提案では、必ず自社原料を配合するので、提案した途端、配合した原料の問い合わせが増えます。
(原料として名前が売れるメリットもあるんですけどね・・・)
商品を作り、提供するということは、初回製造は営業経費を加味すると利益がない状況で動かなければならないので、双方の信用関係が不可欠です。信用関係の築けない会社さんには、ベストなプライシングがなされることはありません。
是非、OEM製造を検討される場合、こういった点をご理解いただき、進めていただければと思います。

まぁ、我々側も、企業努力で我々しかできない提案を目指しつつ、我々なりに正攻法で対抗しているんですけどね・・・。

今回は、2本立て。
明日の後編(導入期原料に適した販路と市場拡大のメカニズム)も、ご一読ください。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。