ここ最近、赤ワインエキス(レスベラトロール)の問い合わせが多いと思ったら、どうやら、メディアに取り上げられたようです。

取り上げたのはCNNで、アルツハイマー病患者を対象にしたレスベラトロールの新たな臨床試験が行われ、効果が示されたようです。
これが、Yahooニュースなどで取り上げられ、再度、注目されているようです。

レスベラトロールは、過去にも、記憶力の改善について報告がなされています。

Effects of Resveratrol on Memory Performance, Hippocampal Functional Connectivity, and Glucose Metabolism in Healthy Older Adults
J Neurosci. 2014;34(23):7862-70

健常人で実施されている試験でしたので、以前、機能性表示にも活用できるかな?とSRの検討も行ったのですが、1日300mgと非常に摂取量が多いため、記憶力の改善での機能性表示は断念しました。

今回の臨床試験は、この試験の追随したものかもしれませんね。
いずれにしても、レスベラトロールは、アルツハイマー病の原因物質(アミロイドβ)を分解促進する報告(in vitro)もなされておりましたので、それがヒトで検証されたようです。

ワインを飲んでいる人の認知症発症率は飲まない人の1/4であるという「第二のフレンチパラドックス」
を検証した研究でもあるのでしょう。

発表された論文の原文です。
A randomized, double-blind, placebo-controlled trial of resveratrol for Alzheimer disease.

摂取量はレスベラトロール500mg/日と、記憶力の改善データよりさらに多く、現実的に摂取するのは厳しいかもしれません。これだけ多いと、副作用も出かねません。でも、この結果を見た切実の方々は、トライされるのだろうなぁと思いました。
予防効果というのは、示しにくいものですが、個人的には、ここまで大量摂取して改善しなくても、少しづつでも摂取してアルツハイマー病を予防できることが望ましいと考えます。

いずれにしても、レスベラトロール、次は、認知症対策で再注目されるのかな・・・。


アルツハイマー患者に朗報か、実験薬が効果示す 米研究


米ジョージタウン大学などの研究チームがこのほど、アルツハイマー病患者を対象とした臨床試験で、抗酸化物質のレスベラトロールを凝縮した実験薬について、病状の進行を遅らせる可能性を示す結果が出たとの論文を学会誌に発表した。レスベラトロールはブドウやチョコレート、赤ワインなどに含まれることで知られる。同物質を凝縮した実験薬がアルツハイマー患者に用いられるのは初めて。

今回の臨床試験は、高濃度のレスベラトロールを凝縮した実験薬の安全性と効果を検証する目的で全米21の医療機関の研究者が実施。アルツハイマー病の患者119人に、赤ワインのボトル1000本分に匹敵する量のレスベラトロールを含む実験薬と、偽薬を服用してもらった。

その結果、1年間にわたって実験薬を1日4錠服用した患者は、偽薬を服用した患者に比べて、髄液に含まれるアミロイドベータタンパク質の値が高くなることが分かった。

アルツハイマー病の患者は脳内にアミロイドベータタンパク質が蓄積する一方で、脳以外の部位では同タンパク質の値が低下する。今回の結果は、このバランスを変えさせて、脳に蓄積した同タンパク質を体内に循環させる作用がレスベラトロールにある可能性をうかがわせている。

一方、やや懸念すべき結果として、実験薬を服用した患者は体重が1年間で約0.9キロ減ったのに対し、偽薬を服用した患者は約0.45キロ増えた。

また、レスベラトロールを服用した患者の脳内のアミロイドベータタンパク質の値が低下したかどうか、認知機能の低下を抑える効果があったかどうかについては判断できなかった。ただ、歯磨きなどの日常行動を忘れずに行う能力がやや改善するなど、認知力の向上をうかがわせる兆候も見られたという。

研究チームは今回の実験で有望な結果が出たと判断し、規模を拡大して次の段階となる第3相の臨床試験を早ければ1年以内に開始する意向。

今後の試験でレスベラトロール薬の効果が確認されれば、現在使われている医薬品や食事療法、運動療法、社会療法などと組み合わせ、アルツハイマー病の急激な進行を遅らせる一助になるかもしれないと研究チームは期待を寄せている。

研究結果は11日刊行の神経学会誌に発表された。

出典:CNN

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。