土曜日から今日の午前中まで、時間を見つけては、葛花(酒毒を解す生薬)に対する文献調査を行っておりました。目的は、原料の優位点を再認識するためと、よりこの素材(美活花80 葛花抽出物)を理解するためです。

基本的に、この野生種の葛花とシナクズの葛花は、何が違うかを明確にするため、そのイソフラボン組成やサポニン組成などを調べました。
そして、この論文から、野生種(ロバータ)のイソフラボンはカッカライド(カッカリド/Kakkalide)が主であり、シナクズ(トムソニー)はのイソフラボンはテクトリゲニンが主であることが理解できました。

Simultaneous analysis of isoflavones and saponins in Pueraria flowers using HPLC coupled to an evaporative light scattering detector and isolation of a new isoflavone diglucoside.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20354803

シナクズは、肝保護作用がないという文献は読んでいましたが、その理由が明確になりました。シナクズに含まれるイソフラボンは、肝保護に有効なイソフラボン(カッカライド)ではなかったのですね。
そもそも、同じ葛花でも、有効成分が全く異なるものであり、似て非なるものなんだなあと改めて認識しました。

そして、この論文から、葛花の肝保護作用は、カッカライドに由来するものであり、腸内環境の代謝活性を受けて引き起こされているのだとわかります。

Flos Puerariae由来カッカライドのエタノール誘発死と肝障障害の防御作用はヒト腸管微生物叢による生体内変換に依存している
http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/200902215064246303

一方、野生種葛花は、テクトリゲニンが含まれないので、おそらく、痩身効果は全くないのでしょうね。
(なので、機能性表示食品にも利用できません。)
野生種葛とシナクズは、機能性の違いで、きちんと住み分けをすればよいのでしょうね。そして、野生種葛花は、もっと抗炎症や美容の部分を突き詰めていくべきなのかな?と感じました。

この野生種葛花抽出物の原料は、現段階において世界で唯一、弊社だけが原料供給しています。とても良い素材です。
先日も、大手通販会社さんのコラーゲンサプリに副材の1つとして採用されましたが、ドンドン市場を広げていかなければならないなあと感じました。
がんばらなきゃな!

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。