ブラセンタエキスは、近年人気の美容素材です。
一方、その質を評価する基準が明確ではないという問題点があり、市場には粗悪なプラセンタエキスも多いです。
業界でも規格基準を設けようとしてますが、なかなか難しいようです。

一般的には、アミノ酸の量や胎盤換算でブラセンタエキスの評価がなされることがあります。
それは、大きな間違いです!

そもそも、アミノ酸がプラセンタの最も重要な有効成分ではあらりませんし、たくさんの胎盤からしか抽出できないということは抽出の非効率性を表します。
プラセンタエキスの最も重要な有効成分は、成長因子(例:EGFやFGF)などの活性ペプチドSAアミノ酸と考えられています。極論言うと、これらが含まれていないとプラセンタエキスは、単なる肉のエキスです。
これの成分は、重要度合いこそ示されてていないものの、メルスモンの英文ページには、有効成分として明記されています。

メルスモンのプラセンタ製剤の英文ページ
http://www.melsmon.com/value_eng.html

私は、その中のSAアミノ酸というものに注目しています。
しかし、 SAアミノ酸、すなわちスーパーアクティブアミノ酸に関しては、定義がありません。まあ、成長因子や活性ペプチドなどの定義も明確ではありません。
それが1番の問題であり、粗悪なプラセンタエキスが出回るような市場を作ってしまったようにも感じられます。

私の持論ですが、アデノシルメチオニン・アセチルシステイン・エルゴチオネインなどのような含硫アミノ酸加工物もSAアミノ酸でないか?と考えています。
これらは、明らかに強い活性を有します。
そして、それを後押しする論文として、以下のような論文があります。胎盤中のアデノシルメチオニンの存在を示す論文です。

プラセンタ中のアデノシルメチオニン
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3248670
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/5472718
ちと古い文献です。

プラセンタの効果に、鬱や関節痛というものもありますが、それは、おそらくアデノシルメチオニンによる効果のように思えます。アデノシルメチオニンは、鬱や関節痛の医薬品成分でもありますからね・・・。

私の検証(各プラセンタエキスの分析)では、血抜きしていない胎盤漿ごと抽出されているプラセンタエキスアデノシルメチオニンが多く含まれる傾向が認められています。
実際、プラセンタの有効性を報告している文献の多くは、胎盤漿で行われています。この胎盤漿には、当然ながら、成長因子なども多く含まれるでしょう。
一方、実際、胎盤漿ごと抽出されているプラセンタエキスは、非常に少ないです。肉の抽出物に近いもので、アミノ酸含有量だけが高いプラセンタが市場の多くを占めています。
まあ、このアデノシルメチオニンの含有量は、SAアミノ酸含有量の指標となり、プラエンタの質を評価する指標にもなりえるでしょう。

私の個人的意見としては、アデノシルメチオニンのような活性成分の含有を業界の規格基準に盛り込むべきだと考えますが、利権も伴うので、業界はそのように動かないと思います。
理想形は、市場(消費者)が活性成分の多いプラセンタを配合した商品を自然と評価して選ぶような形だと思います。それは、オープンなマーケットで評価されなくても、クローズドなマーケットで評価されれば良いとも考えています。
私としては、良い商品を作り続けるだけです。
これからも、がんばっていきたいと思います!

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。