ようやく届いた本を読みました。
先日亡くなったCM天気図(朝日新聞)の天野祐吉さんの本です。亡くなった際に紹介されたコラムを耳にし、読みたくなりました。

成長から成熟へ さよなら経済大国 (集英社新書)

結構、知的な表現があり過ぎて堅苦しい部分も多いですが、読みにくくはありません。
共感できる部分は、たくさんありました。
広告という視点からものを観ると、市場や社会の変化が良く見えるのだろうと思いました。

成長はずっと続くものではありません。
やはり成熟という段階は必ず来ます。

一方、成長期に生きた世代や企業は、それを認めたがらず、目を背けたがります。
今の日本国自身がそうなのだと思います。
ネット通販を多用して、欲しいものを手軽に買っている私が言うのは何ですが・・・
消費社会やネット社会の情報氾濫に踊らされて、物欲を抑えることができず、幸せの本質が見えにくくなっているように思えます。
若い我々世代が状況を認識し、将来を見越して成熟期に適した社会を作っていかなければならないのかなあと思いました。

このことは、健康食品業界や通販業界にも当てはまります。
成熟期に適したマーケティングが求められるのだと思います。
成長期と同じことをやっていては、取り残されます。
成熟期にも、売上という成長に囚われず、成長し続けなければならないと思います。

企業の視点から考えると「売上は必ずしも伸びなくても良い。無理に売上を伸ばす必要はない。でも、特定の顧客に支持され、安定した収益性を得るべき。できれば、売上は伸びなくても、収益性が伸びれば良い。」というものなのだろうなあ・・・。
ある意味、これも成長だと思います。
著者の言葉を借りると「『別品』の企業でありたい」と、我々も考えるべきなのかもしれないですね。
この本は、意味のある一冊でした。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。