たまには、論文を読みました。今回は、珍しく、博士らしい記事内容です。
グルコサミンの論文です。

グルコサミンは、前回の市場動向で紹介した通り、主に3つ存在します。

・グルコサミン塩酸塩
・グルコサミン硫酸塩※日本では医薬品
・アセチルグルコサミン

意外に文献が少ないのは、グルコサミン塩酸塩です。硫酸塩はたくさんあります。
日本でしか使用されないからでしょう。
アセチルグルコサミンは、大手乳業メーカーがが担いでいた経緯もあり、結構、論文があります。

今回、読んだ文献は、グルコサミン塩酸塩1200㎎、MSM300mg、コンドロイチン硫酸80mg、グアバ葉ポリフェノール105mgの投与での報告でした。グルコサミン塩酸塩だったので、とても興味がありました。
文献:グルコサミンと変形性膝関節症, 順天堂醫事雑誌 59(2)152-162

結構、良い改善効果が示されていました。
また、評価方法が非常に参考になりました。
バイオマーカーを利用して、VASでは評価しきれない部分まで評価されています。

一方、結局、硫黄が重要なのかな・・・とも思いました。

過去に読んだ論文の中には、グルコサミン塩酸塩と硫酸鉄で有効性を示しているものもありました。
その時は、なぜ?硫酸鉄なのだろう?と思いましたが、硫黄の補給という目的だったのだろうと、最近、確信に変わりつつあります。

硫黄は、皮膚・粘膜・軟骨・爪・髪を作るのに不可欠なミネラルです。
硫黄素材の問題点は、臭いがあること。
MSMや硫酸塩にしたもので、臭いがないものもあります。

ちなみに、MSMは、全く硫黄臭のない硫黄化合物であり、手軽に硫黄を補いやすいのが特徴です。松などの針葉樹由来のものが多いです。
※S(硫黄の元素記号)のままでは臭く、Sの両手にMMを持たせてMSMにすると臭いが無くなるイラスト表現があると表現しやすいです♪
今後、アセチルグルコサミンとMSMの組み合わせの研究が行われると面白いかも・・・。

軟骨の再形成には、この硫黄の存在が重要
なのでしょう。
そもそも軟骨の主成分の1つであるプロテオグリカンは、コンドロイチン硫酸の集合体で硫黄を含みますからね。

あと、ポリフェノールの配合は抗炎症の目的であろうと思われますが、この抗炎症の成分は、体感性を高めるのには重要です。体感がないと、すぐに止めてしまう傾向が強いためです。
いわゆる、体感素材というやつです。
私も、この抗炎症の成分には、工夫します。

商品設計の話なりますが、私は、免疫寛容の抗炎症ならば非変性Ⅱ型コラーゲン直接的な抗炎症成分としてはボスウェリア、コガネバナ(オウゴン)&ペグアセンヤク(アカシア)やセイヨウシロヤナギを目的コストに合わせて配合します。

最近は、グルコサミンを含まない、抗炎症中心の商品のニーズも高まっています。
糖尿患者向けに、グルコサミンを配合しない関節サプリのニーズも高まっています。
糖尿病患者は、太っていて関節炎を併発している率が高いようです。そうすると、糖であるグルコサミンを避ける傾向があります。医師から止められる場合も多々あるようです。

このロコモ市場は、市場が激化し飽和感がありながらも、高齢化社会のため、市場自信は伸びています。
市場もニーズ毎に細分化し始めているのかもしれません。
私も、この市場の変化を読み取りながら、売れる良い商品を作り続けようと思います!
日々、ひたすら努力です。
がんばります!

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。